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牛歩 [思い]

久しぶりの投稿となってしまった.
インフルエンザ脳症の子を担当していたため気が抜けない日々を過ごしていた.
ほぼフルコースの治療を施し,現在は快方に向かっている.
あらゆる治療をやりたがる傾向にある研修医と議論を交わし,根拠(エビデンス)と経験を伝えていく.その決断が目の前にいる患者さんの将来を決めるのだから真剣勝負だ.
重症症例では不十分な治療が命や後遺症に繫がるのだが,逆に無用な治療は患者さんに不要なリスクを背負わせる事になる.あらゆる治療は薬であるが毒でもあり,この匙加減こそが医師が問われるセンスなのだと思う.
こればかりは本をいくら読んでも学べない.上司が悩み苦しむ姿から自分も学んできた.
そう.悩み苦しむことこそが医療従事者の仕事であり,そこから逃げ出す事は苦しむ患者さんやその家族を放り出す事になる.
そして苦しみが大きいほど報われたときの喜びは大きい.
それを彼らに味わわせてやりたい.
今回の主治医は卒後3年目の研修医でこの3月でウチを卒業する予定である.そこで治療方針の決定について,出来るだけ口を出さず彼に決めさせるように心がけた.その代わりびっちりと監視し,充分に悩まずに結論を出そうとしているときには声をかけた.大抵は十分な返事が返ってこないので,問題点を指摘してしばらく放っておく.そうするとまともな答えを自分で見つけ出す.
彼は相当にキツイ毎日だったと思う.でも,もう少しで大きな喜びを噛みしめる事になるだろう.
まだ回復の途上にあるこの子はほとんど後遺症を残さずに回復すると見込んでいる.

話は変わるが,去年より自分の生き様について,グダグダと考えてきた.
グダグダ生きない様に,グダグダ考えていた.

ようやく,最近になって吹っ切れそうな気がしている.

 所詮,人生なんてなるようにしかならない.
 しかし,諦めるのはもったいない.
 たとえ思うように行かなくても,
 他人から誤解されようとも,
 誰にも評価されなくとも.
  それでもなお,自分が正しいと心から信じることをやるべきだ.
 例え無駄になろうとも.
  それでもなお,諦めずに進むべきだ.
 正直に,誠実に自分の心と向き合える限り.
 やるべき事.考えるべき事を見つけるのは難しくないはずだ.

諦める理由を探すのではなく.
自分を信じて進んでいこう.

必要なのは正直に自分と向き合う事.
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クーデルムーデル

インフルエンザによる重症者はライに陥っているかどうかで随分と差が出るように思います。

先生はステロイドをどうしてますか?

血漿交換で攻めますか?低体温療法を選択しますか?

なんていろいろ質問したい自分がいます。しかし状況によりすべてが変わることでしょう。正解は用意されるものではなく、見つけていく他ないですよね。

先生の下で勉強できる研修医は幸せです。
by クーデルムーデル (2011-02-14 18:33) 

DIABOcomFOME

> クーデルムーデルさん

先生の仰る通り,一口にインフルエンザ脳症と言ってもその病態はheterogenicです.壊死性脳症型やMODSを来す本物の嵐では救命すらままならない一方で 痙攣重積型ならば支持療法で十分な気がします.
個人的には本物ではなくとも嵐の気配があればステロイドの適応と思いますが,一律パルスはやり過ぎだとも感じています.
血漿交換や低体温は効かないと思っています.適応と合併症の議論はいい教育材料でした.
ガイドラインのおかげで悩まずにフルコースの治療を行うことが免罪符を得たような話が出てきますが,しっかり悩んで心配しながら治療してもらっています.
だって,ステロイドパルスですら「毒をもって毒を制す」治療である事を肝に銘ずるべきですからね.
by DIABOcomFOME (2011-02-15 12:31) 

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